木材やコルク、厚めの紙などに焼き込みを入れたりカットをするときは、レーザー彫刻機を使用しています。
レーザーを使うときは、PCでまず元になるデータを作成し、それをレーザー彫刻機の専用ソフトに読み込ませて設定をし、機器を動かす、という手順になります。

元になるデータは、画像編集ソフトで制作します(主にAdobe PhotoShopを使用)。
画像の種類にはビットマップとベクターがありますが、当工房ではケースバイケースで両方使っています。
ビットマップは、いわば点の集まりで、精細な画像が作れるため複雑なものはビットマップで作ります。反面、拡大すると画質が荒れます。スマホで撮った写真などはビットマップです。
ビットマップの場合はレーザー彫刻機のソフトに輪郭抽出機能があるので、輪郭を抽出してカッティングラインを作り、それで板などを切り出します。

ベクター画像はAdobe Illustratorで制作してます。
ベクター画像は線の座標だけを保持した画像で、計算で線が描かれるため拡大縮小が自由自在にできるメリットがあります。反面、細かい絵は描きにくいのでシンプルな形状向きです。
Adobe Illustratorはデザイン業界標準なので、データはたいていのソフトでそのまま読み込んでカッティングデータとして使えます。

ビットマップの場合、専用ソフトに画像を読み込み、輪郭を抽出して、カットラインとします。
ベクターの場合はそのままカットラインとして使用します。
写真、絵や文字などの彫刻を入れるときは、画像を読み込んでそれをそのままレーザーで焼き込みます。
素材の種類と、カットか彫刻かやアイテムにあわせた濃さなど目的にあわせて、レーザーの強さ、ヘッドの移動速度、反復回数などを調整します。この段階はトライアンドエラーで最適値を見つけるまで、かなりの量の素材が無駄になります(笑)

あとは彫刻機でカット、プリントするだけです。
レーザーで材木が切断されていく様はなかなか面白いですよ、木が焼けてくさいですけど(笑)
ヘッドの背景に見える、 敷かれているものが汚いのは、材木をカットするとヤニが出るからで、長年の作業でそれが焼き付いているんです。敷かれているのはレーザーに強いステンレス板です。
レーザー光線ですので、設定を間違えると紙などは燃え上がり大変なことになりますので、そんな対策にも防火板は必須です。

ちなみにコレは自分の使いやすいようにデザインした、模型用の工具ラックです。
全てレーザーカットで作られています。
当工房で使っているレーザー彫刻機は比較的大きなサイズまで対応しているマシンですので、慣れればこんなものも作れます。